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遠藤周作 私が棄てた女 を読んで

新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)
新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)
講談社
2012-12-14


テーマ: 読書


遠藤周作さんの小説、 私が 棄てた 女 を読んだ。


テーマがかなり重く感じられた。遠藤さんのいつものことだが。
テーマとは対照的に、筋的にはとっつきやすい、軽い感じの話であった。


一人の女性。
ミーちゃんハーちゃんで、見てくれも中身も本当にそこら辺にいる、ただの一見魅力のどこもない女性である。
主人公からはそれ故に軽んじられ、弄ばれて棄てられた。


しかしこの女性は心の清らかな美しいところのある女性だった。
ある時ハンセン病患者と間違えられてその病棟に送られる。
そして悩む。
しかしそうでないことがわかる。誤診だった。
喜んでそこから出ていくが、置いてきた仲間だった人たちへの愛からそこに戻って帰ってしまう。
そこで献身的に働かせてくれ、と言い、そしてそれを実行した。
苦しんでいる人、悲しんでいる人を放っておけないのである。
従ってハンセン病の人たちをも放っておけなかった。
そこに居ついてハンセン病の人たちに心から働いて自分を捧げた。


そこではシスターがハンセン病の人たちに献身している。
しかし、信仰も何もないのにその女性は深い愛の実践をごくごく自然に行える、そういった清らかな聖人のような人であった。
シスターさえもこの女性の心の清らかさ、美しさに魅かれた。
こういった女性は憧れである、といった具合に。
人間とは一筋縄ではいかない存在であろう。